呼吸困難感。心臓後方にみられる所見はなにか?
左胸水貯留
傍胸骨長軸像で、心臓後方に生じるエコーフリースペースには、心嚢液と左の胸水がある。両者の区別にとって重要なのが、下行大動脈との位置関係である。心嚢水は、下行大動脈と左房との間に収束するように貯留し、左胸水は下行大動脈の後方にまで広がって貯留する。この例では、下行大動脈の後方にまでエコーフリースペースが広がっているため、左胸水であることがわかる。(関連動画:#19)

呼吸困難。みられる所見はなにか。
Bライン(Lung sliding)
気胸の評価目的で行う肺エコーは、前胸部でLung slidingの有無を確認するところから始める。通常、含気の豊富な肺では、プローブ表面から胸膜までの距離の等倍の距離に水平な線状アーチファクトを生じる(Aライン)。肺水腫により肺の血管外水分量が増加したり、胸膜病変があると、この例のように胸膜から垂直に線状アーチファクトが生じ、これをBラインとよぶ。Bラインの解釈は疾患と一対一対応ではないが、Bラインが観察されるということは臓側胸膜が壁側胸膜直下に存在しているということを意味し、Lung slidingと同等の意味を持つため気胸の除外に有用である。
上腹部痛。みられる所見はなにか?
胆嚢ポリープ、胆泥貯留
胆嚢の観察で最も重要なのは胆石(胆泥)の描出である。胆石は、胆嚢内に高輝度な構造物として確認され、後方には音響陰影(Acoustic shadow)を伴う。胆石と類似の所見を呈するものに胆嚢ポリープがある。胆石と異なり、胆嚢内での位置の移動はなく、Acoustic shadowも伴わないため判別は難しくない。腹痛の原因となることは基本的にないが、この例では胆泥の貯留もみられるため、腹痛が胆嚢由来のものである可能性は否定できない。(関連動画:#25)
腹痛。考えられる疾患はなにか?
胸痛。考えられる疾患はなにか?
救急外来。ショック。みられる異常はなにか?
心嚢液貯留(心タンポナーデ)
心嚢液貯留の評価の基本は心窩部からの四腔像で行うが、心タンポナーデか否かは心嚢液貯留の有無だけでは判断できない。特異度の高い所見は右心室の拡張初期の虚脱であるが、これを直接確認する方法としてこの画像のように傍胸骨長軸像でMモードを用いる方法がある。Mモードのラインを右室自由壁および僧帽弁前尖に合わせ、僧帽弁の開放時に右室自由壁がどの方向に動いているかを見ることで心タンポナーデの病態が生じているかを知ることができる。この例では僧帽弁の開放に一致して右室自由壁が画面下方に移動しており、心タンポナーデと診断できる。心嚢穿刺後、下の画像のように拡張初期の自由壁運動は正常化した。(関連動画:#4, #45, #65, #94)
救急外来。ショック。考えられる疾患はなにか?
救急外来。胸痛。考えられる疾患はなにか?
救急外来。血圧低下。みられる異常はなにか?
左室の過収縮
左室の収縮能は心筋壁の厚みの変化や内膜の移動距離、拡張初期の僧帽弁前尖と心室中隔との近接距離(EPSS)などを指標に評価するが、高度な血管内脱水の代償状態や末梢血管抵抗の低下状態ではEFが正常よりも上昇し、この例のように左室壁同士が収縮期に接触する所見がみられる(Kissing sign)。血管内脱水を反映している場合も多いが、病態に特異的な所見ではないため、その他の病歴や所見も踏まえて考えられる病態に応じた治療が必要である。(関連動画:#66)
救急外来。心肺停止。みられる所見はなにか?

