下腹部痛。みられる所見はなにか?
右下腹部痛。考えられる原因疾患はなにか?
救急外来。右下肢痛。鼡径部のエコー像。みられる所見はなにか?
リンパ節腫脹
下肢痛の鑑別疾患として深部静脈血栓症が挙げられるが、初学者が血栓と区別すべきものの一つにリンパ節腫脹がある。腫脹したリンパ節は円形に描出され、内部は低〜等エコーで圧迫しても虚脱しないため、静脈血栓症と類似した点もある。鑑別するポイントとして、リンパ節は球形構造のためプローブをスライドするとその場に限局していることが分かり、管腔構造を取る静脈とは容易に区別できる。また下に示すようにカラードップラーによる血流のパターンも血管のそれとは大きく異なる。
救急外来。腹痛、嘔吐。みられる異常はなにか?
腸管蠕動の亢進
腸管の超音波で検出すべき疾患の一つに小腸閉塞があるが、これは腸管の拡張、蠕動の低下/消失の2点で評価する。本症例は腸管内容物の水様化により一見腸閉塞を思わせるが、腸管径の拡大はなく、腸管壁の動きに注目すると、蠕動は亢進していることがわかる。この症例は臨床的に急性胃腸炎に矛盾のないものであるが、腸炎に対して感度や特異度の高い超音波所見というものは知られておらず、超音波で腸炎を積極的に除外/診断することは慎むべきである。
行っている処置はなにか?
気管挿管
バイタルサインのある患者での気管挿管の確認で最も信頼性が高いのはEtCO2の検知であるが、気道エコーにも同等の検出精度がある。通常、気管挿管の前後では描出像に変化がないが、食道挿管では挿管後に輪状構造物が食道内(多くは気管の左側、画面上は右側)に出現する。この所見はDouble tract signとよばれ、食道挿管を強く示唆する。この例では操作前後で描出像に変化がないため、気管内にチューブが挿入されたことがわかる。バイタルサインのない患者では気管挿管後もEtCO2が低値を示すことがあるが、気道エコーでは非CPA患者と同様な所見が得られる。(関連動画:#5, #69)


救急外来。腹痛。みられる異常はなにか?
腹部大動脈瘤(嚢状瘤)
腹痛の原因の鑑別疾患として重要な大動脈瘤切迫破裂であるが、瘤はその形態から紡錘状瘤と嚢状瘤に分けられる。紡錘状瘤は比較的観察しやすいが、嚢状瘤はその形状から長軸では見過ごしてしまう可能性が比較的大きい。大動脈を観察する際は、短軸(下画像)での観察を欠かさぬようにするのが見逃しを避けるポイントである。(関連動画:#12)
呼吸困難。みられる異常はなにか?
右心の拡大、肉柱の発達
心尖部四腔像は、右室と左室のサイズを比較するのに適している。右室幅が左室幅の6割以上となっていれば右室の拡大があると評価でき、この例のように右室:左室が1:1以上となっている場合は明らかな異常である。右室内の肉柱が発達していることから、何らかの慢性右心負荷が生じていることが示唆され、急性の病態が生じているか否かはこの所見からだけでは判断が難しい。また、プローブの向きが反対になっている場合、画面左側に左室が映ってこの例と類似の像を呈するが、右室内心尖部寄りを横断する調節帯(Moderator band)の存在によって右室と左室の判別が可能である。本例では右室収縮の指標であるTAPSEも低下していることが目視で認識できる。(関連動画:#87)

救急外来。腹痛。みられる所見はなにか?
正常胆嚢
救急外来での胆嚢の観察において最も大切なのは、胆石の有無の評価である。胆嚢内の高輝度の構造物として描出される胆石は、後方に音響陰影(Acoustic shadow)を伴うことが特徴である、この例ではも、胆嚢の辺縁から後方に低エコーの筋状の陰影が描出されているが、これはEdge artifactと呼ばれ、膀胱壁や横隔膜などの湾曲した構造物に斜めからビームが当たった際に反射の関係で後方に低エコーな線状陰影を生じるものである。胆嚢では、これを胆石からのAcoustic shadowと見誤ることがあり、注意が必要である。

観察される所見はなにか?
対光反射
眼球エコーは網膜剥離や硝子体剥離の評価に用いることができるが、使用頻度は多くないが虹彩の評価も可能である。使用場面は顔面外傷などで眼裂が開かない場合の対光反射の確認などである。眼球上方から冠状断に近い平面で下向きにプローブを向けると画像のような瞳孔が描出できる。反対側の眼裂が開いていれば、間接対光反射を確認することができる。
救急外来。右肩打撲。みられる所見はなにか?
肩関節正面像(正常)
肩関節脱臼を評価する際の方法は、正面、側面、後面の3つの方法があるが、正面像では烏口突起と上腕骨頭が水平に同一の高さで描出されることが正常像と判断するための条件である。鎖骨遠位のやや尾側にある烏口突起を触れ、その高さでリニアプローブを水平に当てると、外側に上腕骨頭が描出できる。肩関節脱臼がある場合、変位により烏口突起の外側から骨頭は消失する。


