ガス分析と低Na血症③

先の説明の通り、間接法では血清サンプルを水で希釈してから測定に回します。

希釈の程度は20倍や30倍といった単位ですから、水で希釈されたサンプルは、そのほとんどが「水分画」になります。よって電極法にしろ炎光法にしろ、この希釈サンプルの濃度を測定すると、得られたNaイオン濃度はほぼ希釈後の「水分画」中の濃度と言って差し支えありません。そして、20倍に希釈したら、得られた希釈液の濃度を20倍に変換してもとのサンプルの濃度として報告するわけですが、ここで問題が生じます。

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ガス分析と低Na血症②

説明をわかりやすくするため、②の間接法×電極法から解説します。

②間接法×電極法

間接法では、血液をスピッツに入れた後、凝固して沈殿した血球成分+凝固因子を除いた「上澄み=血清」を測定器にかけます。このとき、生化学検査で調べたい項目は、当然Naイオン濃度だけではありませんので、Naイオン濃度の測定に用いられるのは上記血清のうちごく一部だけです。この少量サンプルに電極を差し込んで測定したいのですが、その際、このサンプルは水により希釈されます。なぜ希釈が必要なのかと言うと、サンプルの必要体積の問題のほかに、希釈することでNaイオン濃度がより正確に測れるためだと考えられます。

なぜ、希釈によりNaイオン濃度がより正確に測れるのか?

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ガス分析と低Na血症①

Q. るいそう患者の中央検査室のNa値が150、血液ガス分析装置でのNa値が140と乖離していた。とるべき対応はどれか

1)中央検査室の値を信頼して食間水を増やす

2)中央検査室の値を信頼して糖液を投与する 

3)血液ガス分析装置の値を信頼して特に補正は行わない

4)中央検査室に再検を依頼する

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