感情による納得と医療

私たちの行動様式は、主として感情的な納得に基づいている。他人に親切にする温かさを知っているから他者に親切にする。これはポジティブな感情体験による行動様式の内面化である。理想的には行動様式のすべてがポジティブな感情体験に基づいているのがよく、その人は極めて人間的な、温かい行動から健全に自己愛を補給できる人物になる。ご飯を食べこぼしたら強く叱られたから自然と食べこぼさなくなる。これはネガティブな感情体験から学習された行動様式である。実際には多くの行動様式が恐怖や罰によるネガティブな感情体験により内面化されている。しつけというのは往々にして恐怖を用いた道徳の内面化である。迷惑な行動をして親から怒鳴られ、叩かれるからその行動を避けるようになる。道徳的行動をポジティブな感情体験から内面化させるしつけは非常に難しい。いずれにしても、これらの行動は本人が「心から」納得したものであり、規範意識とは異なる形で本人の真の人格を形成する。規範意識とは、感情的納得を伴わない「押し付けられた」道徳のことだと私は考えている。それは内面化されていない道徳であり、その人の人格の外側にある。その人がいくら「優しい」行動をしているように見えても、本人が「優しくしなくては」と考えて行動しているとすれば、その行動はどこか自然さを欠き、その人は真に優しい人ではない。

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