不倫は悪か

不倫というものにも二つの面があるだろう。性欲を満たすための関係、自分を礼賛する者を得る手段としての不倫であれば、それは不健全な自己愛満足を目的としており、アルコールに依存するのと変わらない。しかしそれが相手との情緒的交流を目的として行われるなら、それは極めて健全な心の動きと言えるのではないか。不倫は社会的には許されないというだけで、その中身を我々は一歩進んだ視点から理解する必要があるだろう。不倫をする方にもされる方にも、満たされない自己愛という問題がある。それは夫婦間の情緒的交流の不足を原因としている。片方だけが不倫をしている場合でも、相手方も不倫以外の何らかの他の手段、おそらくは社会的に許容される手段を用いて満たされない自己愛を補給しているのだろう。それは健全なものであれば友人などとの情緒的交流であろうし、そうでなければ趣味への没頭、あるいはアルコールへの依存かもしれない。社会的な道義とは裏腹に、自己愛の満足という観点からは実は不倫をしている方が人間としては真っ当な方法で問題の解決を試みている場合がある。