ナルシシストのコミュニケーション

自身の自己愛満足に他人を巻き込まない。健全な信念とは多少性質が異なるかもしれないが、これこそ、自分の本性に気がついたナルシシストが短中期的には大切にすべき信条だろう。十分な睡眠を得ることや空腹の解消は、健全に自己愛を満たす限りにおいて他人を巻き込むことはないし、その追求が他人から「こだわり」とみなされることもない。対人的な素直な感情の表現、情緒の交換も、場や相手をわきまえてさえいれば、むしろ歓迎されるだろう。だが同じ対人コミュニケーションでも、それが不適切な自己主張の押し売りだったり、自分の優れた点を仄めかすような披露の場として悪用されることが多々ある。特にナルシシストの場合、すべての人間関係がそうした不健全な自己愛満足の場に変貌する。他者との関わりは、相手ありきである。ナルシシストの関わりには、自分を主張して自分だけが気持ちよくなる部分があまりにも大きい。それしかないと言ってもよい。教育も、それを盾にしてナルシシズムを満たす場として利用される。普段の他愛のない雑談も、ナルシシストにとっては自らの考えの披露の場所に取って代わられる。彼らには、相手の言ったことをそのまま受け止める姿勢が欠けている。相手の主張を受け止めずに、どうして自分の主張を相手に受け入れてもらうことができようか。そんな傲慢があって良いはずはない。