イメージの獲得、感情の喪失

ナルシシストは自分が「かくあるべき」「このように見られるべき」というイメージに過剰にとらわれている。それが悲しみに暮れることや喜びを体で表現することを躊躇させ、自己と感情とに距離を置かせてしまう。感情を体で表現する訓練を積めなかった彼らは将来的に情緒的な生活が困難になる。かれらは喜怒哀楽のうち、自己愛の傷つきからくる“怒”しか知らない。「真面目」「クール」といった世間に好まれるイメージは、歓喜や悲嘆といった感情からは最も遠いところにある。そのような理想的イメージを、本人はどこから選び取ってきたのだろうか?