カプノメータはさまざまな病態を反映して波形が変化することが知られています。
こちらのサイトをはじめ、成書にもいろいろな波形が解説されていますが、こうした解説にあまり登場しない、しかし臨床で頻繁に遭遇するのが冒頭で示したような波形です。第Ⅱ相の終盤でオーバーシュートしており、その後に第Ⅲ相のプラトーが現れる特徴的な形をしています。
カプノメーターは回路内の赤外光の吸光度を測定しているため、CO2をはじめ何らかの物質によって赤外光が吸収・反射されると吸光度が低下して波形が変化(数値が上昇)します。通常はCO2の回路内の通過に伴って吸光度が低下して値が上昇するのですが、回路内に水滴が蓄積し、下のような状態になると、呼吸にしたがって吸光部へ水が移動し、光を乱反射して吸光度を低下させ、波形を変化させてしまいます。
回路の構成にもよりますが、水滴が溜まるのは通常、カプノメータの装着部よりも患者側の蛇腹部分(上の動画では左側)なので、水は呼気時にカプノメータ側へ移動し、第Ⅱ相をオーバーシュートさせるような波形を作り出します。
A. 呼気時のカプノメータ吸光部への水の干渉(回路に水が溜まっている)